主文
1原告の請求を棄却する。2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
被告は,原告に対し,5895万2775円,並びにうち2000万円に対する平成12年8月1日から,うち3518万0775円に対する平成12年10月27日から,及びうち360万円に対する平成12年11月1日から各支払済みまでそれぞれ年18%の割合による金員を支払え(内訳は別紙計算書のとおり。)。第2事案の概要
本件は,原告が被告に対し包括根保証人の責任を追及したところ,被告が,個別債務(完済)の保証意思を有していたに過ぎず,原告から包括根保証との説明はされなかったなどとして,包括根保証契約は不成立または錯誤により無効であり,仮にそうでないとしても,本訴請求にかかる貸付は被告に何らの連絡等なく行われたものであるから,不意打ちであって信義則に反する旨主張して,これを争った事案である。1争いのない事実
(1)原告は,信用金庫業務を営む信用金庫である。
(2)株式会社Bは,C(以下,「C社長」という。)が代表取締役を務める,社員6ないし8名程度の,不動産売買,賃貸,管理及び仲介業等を主たる業務とする株式会社である。
(3)被告は,Bに勤務していた。
(4)原告(西明石支店)従業員Dが,平成6年当時,Bとの取引を担当していた。
(5)原告は,平成6年5月9日,Bに対し,次の約定の下,800万円を貸渡した(以下,「前件貸付」という。)。
貸付科目証書貸付
使途事務所改装資金
返済期限平成8年5月10日
返済方法元利金等払
(6)被告は,平成6年5月9日,C社長とともに,次の記載がある信用金庫取引約定書(甲1。以下,「本件約定書」という。)の連帯保証人欄に自署押印した。
ア第1条(適用範囲)「1手形貸付,手形割引,証書貸付,当座貸越,債務保証,外国為替その他いっさいの取引に関して生じた債務の履行については,この約定に従います。」
イ第3条(利息,損害金等)「2貴金庫に対する債務を履行しなかった場合には,支払わなければならない金額に対し年18パーセントの割合の損害金を支払います。
この場合の計算方法は年365日の日割計算とします。」ウ第5条(期限の利益の喪失)「2次の各場合には,貴金庫の請求によって貴金庫に対するいっさいの債務は,期限の利益を失い,直ちに債務を弁済します。1.私が債務の一部でも履行を遅滞したとき。」
エ裏面末尾(太字)「保証人は,本人が第1条に規定する取引によって貴金庫に対し現在及び将来負担するいっさいの債務について,本人と連帯して保証債務を負い,その履行についてはこの約定に従います。」
(7)原告は,前件貸付について約定通り全額弁済を受けた。
2争点
(1)主債務が存在するか。
(2)包括根保証契約締結の合意があったか,契約が成立したとしても錯誤により無効となるか(原告の説明義務履行の有無)。
(3)包括根保証契約が有効に成立したとしても,本訴請求は信義則に反し許されないか。
3争点に関する当事者の主張
(1)争点(1)主債務の存在。
(原告)
ア原告は,基本的取引契約(本件約定書)に基づき,Bに対し,次のとおり,金員を貸渡した。
(ア)貸付年月日平成8年5月9日
貸付金額4000万円(証書貸付。残高2000万円)
弁済方法期日一括弁済
弁済期限平成12年7月31日
利息年4%
遅延損害金 年18%
(イ)貸付年月日平成8年6月11日
貸付金額360万円(証書貸付。残高44万4322円)
弁済方法平成8年7月10日を第1回とし以後毎月10日に
6万6624円(第1回は6万6451円)ずつ6
0回支払う(元利均等割賦償還)。
弁済期限平成12年12月10日
利息年4.2%(現在年2.8%)
遅延損害金 年18%
(ウ)貸付年月日平成8年7月23日
貸付金額1500万円(証書貸付。残高973万6453円)
弁済方法平成8年8月20日を第1回とし以後毎月20日に
14万9032円(第1回は14万6936円)ず
つ120回支払う(元利均等割賦償還)。
弁済期限平成18年7月20日
利息年3.6%(現在年2.45%)
遅延損害金 年18%
(エ)貸付年月日平成8年10月29日
貸付金額2500万円(証書貸付。残高2500万円)
弁済方法期日一括弁済
弁済期限平成12年10月31日
利息年3.5%
遅延損害金 年18%
(オ)貸付年月日平成11年11月15日
貸付金額720万円(手形貸付。残高360万円)
弁済方法期日一括弁済
弁済期限平成12年5月31日
利息年3%
遅延損害金 年18%
イ原告は,Bが賦払金の支払いを怠ったため,平成12年10月25日付けの催告書(同月26日到達)により,貸付金全額を支払うよう催告した。
したがって,Bは,別紙計算書のとおり,請求の趣旨欄記載の債務を負っている。
(2)争点(2)包括根保証契約が有効に成立したか。
(原告)
アDは,平成6年5月9日,被告と面談し,本件約定書裏面末尾の包括根保証条項の趣旨を説明した。
イ被告は,Bの営業部長で,包括根保証や本件約定書等の契約書類に関する知識を十分に有していた。
しかも,被告は,Bの資産状況等に精通し,社印を預かるなど実質的経営を任される程の実力者であり,Dの質問に対し,会社の債務を包括根保証する理由について,「E氏で経営が継続できなければ,自分が引き継ぐ」旨言った。
そして,被告は,Dに,何度か,Bの借入について問合せをしている。
この様に,被告は,包括根保証の意味を十分に理解し,包括根保証の意思をもって本件約定書に自署押印したものである。
ウ原告は,兵庫県信用保証協会(以下,「保証協会」という。)の保証付融資について,同協会が保証受託に際し包括根保証を認めていないことから,融資の都度,連帯保証人欄への署名捺印を求めた。
これに対し,原告プロパー融資で,融資の種類が複合取引である場合には,一般的に包括根保証を徴収している。
原告が,Bへの貸付の都度,被告の保証意思を確認しなかったのは,包括根保証契約を締結したからである。
(被告)
ア被告は,平成6年5月9日,C社長から800万円借入の保証を頼まれ,その個別貸付を保証する趣旨で本件約定書に署名押印した。
被告は,営業部長とはいえ一従業員に過ぎず,Bの資産や借入状況等を知り得なかったし,その債務について無制限に責任を負う立場にもなかった。
しかも,会社が従業員に会社の債務について包括根保証させることは,労働基本法の精神に反し,本来許されていない。
イ本件約定書は表題から包括根保証契約証書であることが分からず,不明瞭な包括根保証ともとれる条項は,裏面の人が通常見ない場所に記載されている(しかも,被告は本件約定書の交付を受けていない。)。
とすれば,原告は,本件約定書に署名押印を求めるに際し,被告に対し,本件保証は保証極度額や保証期限がなく,しかも,貸付すら知らされることなく保証額が増大し得ることや,Bに対する貸付は今回の800万円を含め4100万円に上ることを説明すべきであった。
しかし,被告は,D等からこれらの説明を受けず,本訴に至るまで包括根保証という保証形態すら知らなかった(原告は,C社長のついで程度に被告にも本件約定書に署名押印させた可能性が高い。)。
被告は,原告の説明不足により,本件約定書に署名押印すれば包括根保証契約が成立するとの認識を欠いていたもので,契約は成立していないし,成立しているとしても錯誤により無効である。
ウ被告は,その後もC社長から迷惑を掛けないとの確約を受け,給与等の会社や従業員に必要な借入について保証した(これに対し,平成8年6月11日の貸付の使途はゴルフ会員権購入資金であり,被告が保証人となる筋合いのないものである。)が,これらについては,その都度,保証意思の確認を受け,貸付契約書類の連帯保証人欄に署名押印した。
そうしたところ,原告は,本訴請求分についてのみ保証意思の確認や貸付書類への署名押印を求めなかった合理的理由を示さない(保証協会の保証付融資であったからなどと言うが,少なくとも平成6年7月12日の500万円,同年11月25日の800万円,同7年7月6日の800万円の各貸付はこれに当たらないのに,被告は,個別に保証意思の確認を受け契約書類に自署押印した。)。
エ原告は,本訴請求分について,一従業員である被告に対して,保証意思の確認や貸付書類への自署押印の求めをしていないのに,本来貸付内容を熟知しているC社長に対しては,借入の都度,保証意思を確認し,契約書類に自署押印を求めているのは不自然であり,被告を包括根保証人と認識していなかった証左である。
(3)争点(3)信義則違反
(被告)
包括根保証契約締結に際し,金融機関は,保証人になろうとする者の立場を十二分に考慮し,責任内容を明確に説明するとともに,保証人の関与なく保証額が増大することを避けるべく貸付取引内容を保証人にも通知しなければならないのであって(判例の主流的考え),これに違背すれば,信義則上,包括根保証契約に基づく請求は許されない。
そうしたところ,被告は,本件約定書に署名押印した後も幾度か個別保証をしたが,その際に原告から現在保証額を知らされたことはなく(保証額は,平成7年11月10日の借入時点で1億5576万8000円に上っていた。),本訴は不意打ちであり,信義則に反する。
(原告)
原告は,Bと,平成12年10月ころに返済が滞るまでは,相互の信頼の下に健全な取引を行い,債権保全に十分配慮した融資を実施してきた(平成12年10月ころの評価上の担保不足額は500万円程度である。)。
そして,担保評価からみて信用部分がある場合,会社の精通者から第三者保証人を徴収するのは金融界に於ける一般的慣行である。
原告の被告らとの契約に,信義則に反する事由はない。
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第3争点に対する判断
1証拠(甲2の1ないし7,10,乙1ないし8,10,11,D,被告)によれば,次の事実が認められる。(1)Dは,平成4年8月から同6年10月までの間,Bへの融資を担当していた。
(2)被告は,平成3年3月末にBに入社し,同7年夏に部下2名を持つ営業部長となった。
(3)Bと原告西明石支店とは,国道2号線を隔てて5,60mの位置関係にあった。
(4)被告は,C社長から「Bの収益も上がり借入額を上げたいので保証して欲しい」と頼まれ,平成6年1月28日,Bが原告から運転資金500万円を借り受けるに際し(証書貸付),C社長とともに,金銭消費貸借証書の連帯保証人欄に自署押印し,原告との間で連帯保証契約を締結した(保証協会保証付き融資)。
(5)Dは,前件貸付に際し,C社長から融資申込みがあったため保証人を付けるよう求めたところ,同人から「営業部長のAはどうだ」との返答があった。
そこで,原告は,検討した結果,被告が自宅を所有しており営業部長として安定収入を得ていたことから保証人として問題がないと判断し,貸付を決済した。
(6)前件貸付に際し,C社長と被告は,原告西明石支店に赴き,Dと面談のうえ本件約定書に自署押印したが,このときDは,被告に対し,同時点におけるBの融資総額を把握しておらず,これを被告に説明しなかった。
(7)被告は,次の原告のBに対する保証協会の保証のない証書貸付について,原告から保証意思の確認を受けたうえ,貸付証書の連帯保証人欄に自署押印した。
ア平成6年7月12日500万円
イ平成6年11月25日800万円
ウ平成7年7月6日800万円
エ平成8年12月10日800万円
(8)被告は,Bが原告から借受けた次の金員について,C社長とともに,原告との間で連帯保証契約を締結し,金銭消費貸借証書の連帯保証人欄に自署押印した(以下,「貸付a」などと言う。)。
a貸付年月日平成7年12月11日(証書貸付)
貸付金額700万円
使途運転資金
弁済期限平成12年12月10日
弁済方法元利均等割賦償還
利息年3.3%
損害金年16%
保証協会の保証付き融資
b貸付年月日平成9年11月10日(証書貸付)
貸付金額700万円
使途運転資金
弁済期限平成14年11月9日
弁済方法分割払い
利息年3%
損害金年18%
保証協会の保証付き融資
c貸付年月日平成10年4月7日(証書貸付)
貸付金額1000万円
使途運転資金
弁済期限平成15年3月31日
弁済方法分割払い
利息年3.3%
損害金年18%
保証協会の保証付き融資
(9)被告は,貸付aについて,C社長とともに,「保証人は,債務者が別に差し入れた信用金庫取引約定書の第1条に規定する取引によって貴金庫に対し,現在及び将来負担する債務について,債務者と連帯して保証債務を負い,その履行については前記信用金庫取引約定書の各条項のほか,次の条項に従います。
第1条この保証について,次のとおり(貸付a)限定します」と記載された「限定保証約定書」の連帯保証人欄に自署押印した。
(10)被告は,再三保証人になることを断ったが,C社長から,各借入は前の借入を返済していく一方で借入額を変更するもので,最終的には1000万円程度の借入をすることになるが,1000万円であれば個人の預貯金等で支払えるから,被告には迷惑を掛けないなどと言われ,了承した。
(11)原告は,C社長に金銭消費貸借証書の連帯保証人欄に署名押印させたうえ,Bに対し,次の通り金員を貸渡した(以下,これらをまとめて「本件各貸付」と言い,個々には「貸付ア」などと言う。)。
ア貸付年月日平成8年5月9日(証書貸付)
貸付金額4000万円
使途運転資金(商品土地購入資金)
弁済期限平成9年3月31日(平成12年7月31日に変更)
弁済方法期日一括払い
利息年4%
損害金年18%
イ貸付年月日平成8年6月11日(証書貸付)
貸付金額360万円
使途ゴルフ会員権購入資金
弁済期限平成13年6月10日
弁済方法元利均等割賦償還
利息年4.2%
損害金年18%
ウ貸付年月日平成8年7月23日(証書貸付)
貸付金額1500万円
使途店舗購入資金
弁済期限平成18年7月20日
弁済方法元利均等割賦償還
利息年3.6%
損害金年18%
エ貸付年月日平成8年10月29日(証書貸付)
貸付金額2500万円
使途商品土地購入金
弁済期限平成9年10月31日(平成12年10月31日に変更)
弁済方法最終一括払
利息年3.5%
損害金年18%
オ貸付年月日平成11年11月15日(手形貸付)
貸付金額720万円
弁済期限平成12年5月31日
弁済方法期日一括払い
利息年3%
損害金年18%
(12)原告は,本件各貸付について,次のとおりC社長の保証意思を確認した。
ア貸付ア平成8年5月9日午前11時自署
イ貸付イ平成8年6月11日午前11時自署
ウ貸付ウ平成8年7月23日午前9時自署
エ貸付エ平成8年10月25日午前10時40分自署
オ貸付オ平成11年11月15日午後2時50分自署
(13)原告は,平成12年10月25日(同月26日到達),Bに対し,内容証明郵便により,本件各貸付金について分割償還金の支払いが遅滞しているので,残債務全額を一括して支払うよう催告した。
2そこで,以下,前記争いのない事実に証拠による認定事実を加味して検討する。
(1)争点(1)主債務の存在。
上記認定のとおり,原告主張のBに対する主債務の存在を認め得る。
(2)争点(2)包括根保証契約が有効に成立したか。
ア被告は,C社長から800万円の個別保証を依頼され了承したもので,本件約定書に自署押印するに際し,原告等から包括根保証契約である旨の説明もなかったから,包括根保証契約締結の合意は成立しておらず,仮に成立したとしても契約は錯誤により無効であると主張する。
イしかし,1被告は,本件約定書に自署押印したうえ,その後,少なくとも貸付aの個別保証に際して,「限度保証約定書」と題する書面に自署押印しており,その冒頭部分には,「保証人は,債務者が別に差入れた信用金庫取引約定書の第1条に規定する取引によって貴金庫に対し,現在及び将来負担する債務について,債務者と連帯して保証債務を負い,その履行については前記信用金庫取引約定書の各条項のほか,次の条項に従います。」と包括根保証規定が記載されたうえで,第1条で「この保証について,次のとおり(貸付a)限定します」と記載されていたが,同書面の作成に際し異議等留めておらず,しかも同書面を受領していること,2被告のBにおける地位やC社長との人的信頼関係,またBの本件各貸付当時における経営状況等に鑑みれば,被告が本件約定書に自署押印時,包括根保証意思を有していたとしても必ずしも不自然ではないこと,3被告は,実際に,Bの債務について多数回個別保証していることなどを総合的に勘案すれば,被告は,本件約定書に自署押印時,包括根保証意思を有していたと推察するのが自然である。
ウしたがって,原告との間に包括根保証契約が成立していないとか,契約は錯誤により無効であるとする被告の主張は採用できない。
(3)争点(3)本訴請求が信義則に反するか。
ア包括根保証契約は,保証人に対し,主債務者と債権者との間の個々の取引に関する同意の有無にかかわらず保証責任を負わせるものであって,契約締結当時想定した範囲を遙かに超えた重い責任を課すことになりかねない。
そこで,信義則上,保証人の責任を合理的範囲に限定し,契約当事者間の均衡を図るべく,保証人は,契約締結後相当期間経過すれば,一定の予告期間を設けて解約できるとともに,主債務者の資産状況の悪化,主債務者に対する信頼関係の破壊等といった事情変更があれば契約を即時解約できると解される。
とすれば,その前提として,金融機関は,主債務者に対する新規貸付に際し,信義則上,包括根保証人に対しても取引内容を告知する義務があると言うべきである。
そうしたところ,被告は,1Bの営業部長の立場で保証人になったに過ぎず,2原告が,本件約定書作成当時,Bへの融資総額を把握しておらず,被告に説明しなかったうえ(原告によれば,この時既にBへの総貸出額は,4100万3000円に上っていた。
甲10),3本件各貸付に際しても,被告には取引内容等を説明しなかったために,自己の保証責任額を正確に把握していなかったものである。
これに対し,原告は,被告のBにおける地位や立場等に鑑みれば,被告はBの借入状況を熟知していたし,現に被告は原告に同社の借入状況を問合わせるなどしていた旨主張する。
しかしながら,全証拠を見るも,被告が営業部長の範疇を超えてBの事業内容等(本件各貸付の使途は,商品土地購入資金,店舗購入資金,ゴルフ会員権購入資金等である。)を知っていたと認めるには足りない。
しかも,仮に被告が原告にBの借入状況を問合わせていたのであれば,原告は保証総額を告知すべきであったのにしていないことになり(この点原告代理人から追求されると,Dは「融資に関することより,当座の残高など預金面について入金金額の問い合わせがあり,それに対してお答えする場合が多かった」と弁解している。),いずれにしても,被告に本件各貸付を説明しなかった合理的理由にはならないと考える。
イしかも,原告は,1その一方で,Bに対し包括根保証契約締結後約4年の間に融資した分のうち少なくとも8回,被告の個別保証を求めたが,この時にも,被告に保証責任総額を知らさなかったうえ(原告によれば,平成9年11月10日において,Bに対する総貸出額は1億5576万8000円に上っていた。
甲10),2被告から,貸付aについては「限定保証約定書」を取ったが,その後の貸付b及びcについては,冒頭部分に包括根保証規定を有しない「特定保証約定書」を取っていることからすれば,Bの経営状況が好調であったため,原告は,本件各貸付当時,被告から個別保証を得ないものについては,同人の保証責任を追及しない意思を有していたとも考えられる(原告は,貸付によって個別保証の有無や契約書の体裁等が異なるこ
とについて,合理的な説明をしない。)。
ウこれに,本件各貸付額等を加味し考えるに,本件各貸付に関する保証責任の追及は,被告にとってまさに不意打ちであると言わざるを得ず,信義則上許されないと考える。
3結論
よって,主文のとおり判決する。
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